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優先順位 [エッセイ・うらぴょん通信]

若いころ読んだ三浦綾子さんのエッセイに、確かこんな言葉が書かれていた。

 人間はしばしば、2番目に大切なもののために、1番大切なものを失う、と。

 私はそれ以来、この言葉の重さがずっと気にかかっている。

 このサイトをご覧になっている方なら、一番わかりやすい例は、仕事をするためにパソコンに向かったのに、サイトめぐりばかりしてしまって、ちっともはかどらない、ということだろう。
 ちょっとお友だちのサイトを見るつもりが、映画紹介のサイトに行ってしまい、そこから、健康法のサイト、占いのサイトへ……、とどこまでも行ってしまう。
 本当に困ったものだ。

 他にも例はいくらでもある。
 ボランティア活動にのめりこみすぎて、本業の方がおろそかになってしまった人。
 家族のためだと仕事に夢中になって、妻に見はなされ、家庭を失うことになったサラリーマン
 子供の将来を思い、教育熱心になったのはいいが、けっきょく反抗されて嫌われる母親。
 収入のいい仕事ばかりに飛びついて、本当に自分のやりたいことができないフリーワーカー。
 
 書いているだけで、頭が痛くなってくる。
 2番目に大事なことに夢中になって、1番大切なことをないがしろにする。世の中、どこにでも、こういう例はころがっている、自分にも耳の痛いことばかり。
 
 大事なのは、自分の中で、きちんと優先順位を決めることだと思う。
 
 生命保険会社の人事課にいたとき、社員教育担当で、こういうセミナーがあった。
 MBO(Management by objectives)といい、目標をかかげて仕事の計画を立てていくというものである。
 これは、会社の仕事だけではなく、人の生き方でも同じだそうだ。

 まず自分の人生の最大の目標を設定する。
 それに沿って、具体的に何をしたいか、中くらいの目標をいくつか作る。
 さらにそれを細かい課題に分け、日々実行していくというものである。

 ただ、実状に合わせ、その目標は、数ヶ月、数年単位で見直しが必要になる。
 たとえば主婦であれば、家族の都合もあるから、自分の目標といっても、うまくいかないことばかり。
 でも、だからこそ、優先順位を決めて行動することも大切なのだ。
 周囲に振り回されてばかりいると、自分がやりたいことがどうしても後回しになり、ストレスはたまる一方だ。いらいらして、あげくの果てに子どもにやつ当たりしたりする。
 どうしても、これだけはやりたい、ということがあれば、何がなんでも暇を見つけて、短時間でもやっておかなくてはなるまい。
 
 私もなるべく早朝に童話を一ページでも書くように心がけている。家族が寝ているすきに仕事をしておけば、その後どんな用事が入ってこようと、子供が熱を出して学校を休もうと、いらいらせずに対応できる。少なくとも、今日一日の大事な課題は、ほんの少しでもやったのだから。
 
 こんなことをいうと、私の一番の目標は、児童文学の創作のように思われるかもしれないが、そうではない。
 あくまで一番大切なのは、家族であることに変わりはない。
 だから、もし家族が大きな病気をしたり、親が倒れたりすれば、創作が滞ることもあると思う。それはそれで、私の中の優先順位なのである。

 ただし、あんまり目標目標といっていると、まちがえればワーカーホリックになり、遊びや、ゆるみ、がなくなり、人生がつまらないものになってしまう。
 たまには、すべてをやめて休んだり、遊んだり、旅に出たり、計画なんか忘れてみるのもいいものだ。もちろん、忘れすぎても、いけないのだけれど。

 優先順位を考えながらも、ゆったり生きる。
 こういう境地に、いつか私もたどりつきたい。
 まだまだ今は、一生懸命やってみたり、目標を忘れて遊んだり、ムラの多い生活で、反省ばかりの毎日である。
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